エクステリア
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)13 玄関までの、五メート……
玄関までの、五メートルほどの道の両側に、ピンクの芝桜が咲き、庭のつつじもいまが盛りだ。草一本生えていないのは、母の保…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)36 客が帰ったあと、母は……
客が帰ったあと、母はその客のさわったとおぼしきものいっさいの消毒をする。玄関の戸、建具の取っ手、湯のみ茶碗、茶卓、座…
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『塩狩峠』[ 鏡 ]26 いつか信夫は六さんに……
いつか信夫は六さんに連れられて、一度虎雄の家に遊びに行ったことがある。ガタゴト音のするどぶ板を踏んで、戸をあけるとい…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)19 そこに、妻の扶代と……
そこに、妻の扶代と章子がテラスから出てきた。章子は、後妻の扶代のつれ子で香也子より二つ年上の二十二だ。〈作品本文の凡…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)2 橋宮容一は、庭のテー……
橋宮容一は、庭のテーブルでコーヒーを飲みながら、傍の香也子をちらちらと見ていた。別れた妻の保子によく似た香也子の横顔…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)7 正門は重々しい鉄柵の……
正門は重々しい鉄柵の門扉に閉ざされ、人が近づくと、鎖につながれたシェパードのトニーが噛みつかんばかりに激しく吠え立て…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)17 静かに戸をあける。鈴……
静かに戸をあける。鈴がリンリンと澄んだ音を立てた。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]189 縁側に腰をかけて、二…………
縁側に腰をかけて、二人は盆の上の塩せんべいを食べた。菊の姿は、すでにそこにはなかった。〈作品本文の凡例〉https://www.m…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]183 井戸に行って、つるべ…………
井戸に行って、つるべから冷たい水を飲んだ。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)4 「ゴルフ場のような庭……
「ゴルフ場のような庭にしたいの」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]173 二人は木からおりると…………
二人は木からおりると、かけ足で縁側にもどって行った。菊を見ると、吉川はぼうっと耳まであかくなって、ぺこりと頭を下げた…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)8 「高い塀だねえ。俺は……
「高い塀だねえ。俺はまた、刑務所かと思ったよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)12 「茶道教授 藤戸ツネ……
「茶道教授 藤戸ツネ」と書いた看板のかかっている黒塀の門をはいるとき、恵理子はふり返らずにはいられなかった。再び青年…
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)3 三百坪ほどの広い庭は、……
三百坪ほどの広い庭は、なだらかに傾斜しつつ、沢の端に至っている。築山が前庭にあり、家のうしろは、香也子の、〈作品本文…
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『塩狩峠』[ 鏡 ]151 「実はこのガキが、物……
「実はこのガキが、物置の屋根から……」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]175 菊は縁側に手をついて…………
菊は縁側に手をついて、ていねいに礼を返した。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)14 玄関の格子戸をあける……
玄関の格子戸をあける前に、恵理子はいつものように、服のちりを手で払い落とす。今朝着替えたばかりの、薄いグリーンのスー…
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『塩狩峠』[ 鏡 ]43 もう四月もまぢかな、……
もう四月もまぢかな、あたたかい日曜日のことだった。その日も小間物屋の六さんが虎雄を連れて、永野家にきていた。信夫は虎…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]163 菊の呼ぶ声がした。澄…………
菊の呼ぶ声がした。澄んだ声である。いちょうの木の上に登っている信夫と吉川修には、縁側に立っている菊のすらりとした姿が…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]232 いつのまにか、菊が縁…………
いつのまにか、菊が縁側に出てきていた。ハッとして信夫は母を見た。母の悪口を言ったようで、うしろめたかった。〈作品本文…
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『果て遠き丘』[ 影法師 ](六)1 あけ放った窓から、木……
あけ放った窓から、木工団地の工場の機械のうなりが、絶えず低くひびいてくる。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.co…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]338 間をおいてゆっくり数…………
間をおいてゆっくり数える虎雄の声が、信夫のかくれている物置小屋まで聞こえてくる。静かだった。虎雄の声のほかは何ひとつ…
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『果て遠き丘』[ 影法師 ](六)2 恵理子は、頼まれたス……
恵理子は、頼まれたスーツの裾をまつっている。あるとも見えない風に乗って、タンポポの穂絮が窓からはいってきて、そのまつ…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]238 今にも降り出しそうな…………
今にも降り出しそうな空を気にしいしい、信夫は吉川の家にむかって歩いていた。風がにわかにぴたりとやんで、家々の庭の草木…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]362 いちょうの木によって…………
いちょうの木によって信夫は十まで数えて目をあけた。せみが鳴いている。だれも答えない。信夫はそっと足をしのばせて物置小…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]342 あわてたように答えて…………
あわてたように答えて、物置小屋の戸をあけたのはふじ子だった。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]363 菊が吉川の肩に手をお…………
菊が吉川の肩に手をおき、吉川はじっとうつむいている。ふいに信夫は胸の中にぽかっと穴のあいたような寂しさを感じた。母が…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]367 窓から吉川の顔がのぞ…………
窓から吉川の顔がのぞき、そのうしろに菊が立っていた。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]352 どこかで、虎雄のはず…………
どこかで、虎雄のはずんだ声が聞こえた。うす暗い物置小屋の中で、信夫とふじ子は顔を見合わせて首をすくめた。その時、信夫…
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『塩狩峠』[ かくれんぼ ]246 吉川の家は部屋の隅に…………
吉川の家は部屋の隅にまで、なめたように掃除がしてある。玄関の下駄も飾ってあるように、きちんとぬいであって、決して乱れ…