『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](一)11 まだ明るい戸外に恵理……

まだ明るい戸外に恵理子は出た。夏至を過ぎたばかりだ。本州は梅雨時だというのに、からりとした日が幾日もつづく。庭隅のテッセンの紫の大輪が、しっとりと美しい。テッセンは恵理子の好きな花だ。その花をとりまく空気が静まっているようで、恵理子は出入りのたびに足をとめる。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](九)41 「悩む?」……

  2. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](四)38 「あなたはフランス文……

  3. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](四)60 「どうも、突拍子もな……

  4. 『氷点』[ 敵 ]42 今、ドアの前に立って…………

  5. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]75 とねだっている。それ……

  6. 『塩狩峠』[ 母 ]2 学校から帰ってきて、……

カテゴリー

アーカイブ