『果て遠き丘』[ 蔓バラ ](三)15 いつかの雨の日、車の……

いつかの雨の日、車の中でキスを迫られた。あの時、小山田整の車が、うしろで警笛を鳴らしてくれなかったら、自分はキスをしていただろうと思う。バツの悪い思いもしたが、助かったような気もする。香也子はわがままだ。妖しさのある娘だ。用心をしなければと思いながらも、一方では、金井はある期待をもっていた。香也子と二人きりで会うということは、金井にその期待の方が多いということでもあるのだ。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](十)8 「十年か、別れて。………

  2. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](七)63 「知りません」……

  3. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](五)34 「ね、おばあちゃん、……

  4. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]225 「ないしょだよ」…………

  5. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]199 信夫は声をひそめた。…………

  6. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](七)65 「さあ、顔見知りだか……

カテゴリー

アーカイブ