『果て遠き丘』[ 春の日 ](五)18 車は次第に旭山に近づ……

車は次第に旭山に近づく。恵理子は思うともなく、またあの青年を思っていた。名前は知らない。青年は突如として恵理子の前に現れたのだ。最初は日曜日だった。恵理子がイタリヤポプラの幹によりかかって、大雪山を見つめていたとき、誰かの視線を強く感じてふり返った。そのとき青年は、川向こうのタンポポの中に、ギターを抱いてすわっていた。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](八)33 「秘密だなんて、お前……

  2. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](八)35 「拝見させていただき……

  3. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](三)2 「散歩じゃないのよ、……

  4. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)20 手をとられるままに、……

  5. 『塩狩峠』[ 鏡 ]48 先生が近よってくると……

  6. 『塩狩峠』[ 鏡 ]176 言われてみると、どこ……

カテゴリー

アーカイブ