『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)16 香也子はいいながら、……

香也子はいいながら、目で何かを探していた。幾折れもの道が木立をぬって頂上へとつづいている。が、香也子たちは、急勾配の草原を登って行く。と、山の中腹に何百坪かの平地があった。そこにはひときわ鮮やかな桜が幾本も立ち並び、顕彰碑や、あずまやがあった。あずまやにつづいて、二、三軒出店が立ち、左手山際寄りに、古く小さな神社があった。


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