『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)58 父の体がぴくっと動い……

父の体がぴくっと動いたのを、香也子は手に感じとった。それまで容一は、茶を飲んでいる客たちをぼんやりと眺めていた。盛りあがるような膝をむき出しにしたミニスカートの娘や、長髪の若者が、かしこまってすわっているのが容一にはおもしろかったのだ。香也子にいわれて、容一ははじめて恵理子に気づいた。恵理子の顔が、容一の場所から斜めに見えた。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]198 「だけど、……うちの…………

  2. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](七)96 「ああ、ぼくはね、東……

  3. 『塩狩峠』[ 桜の下 ]115 「知らないな」……

  4. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)60 「お父さんに用事があ……

  5. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]285 「極楽の絵だよ」…………

  6. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](二)65 「やっぱり、馬子にも……

カテゴリー

アーカイブ

PAGE TOP