『果て遠き丘』[ 影法師 ](六)10 と、ツネはにべもなく……

と、ツネはにべもなく受話器を置いてしまう。祖母のツネにとっては、恵理子かわいさの思いですることだろうが、いつしか恵理子は、男性に近づくことも憚られるような思いにさせられていた。だから、向こう岸に現れた、ギターをかき鳴らすあの青年が、野点の席にきた時の喜びは、恵理子でなければわからない喜びだった。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]80 「ねえ、おかあさま、……

  2. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]131 庭の蟻の巣を見ていた…………

  3. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)19 保子は、高砂台の丘に……

  4. 『塩狩峠』[ かくれんぼ ]226 吉川は待子たちをふり…………

  5. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](八)12 「何よ、章子」……

  6. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](七)24 「いいおなりのお釜で……

カテゴリー

アーカイブ