『果て遠き丘』[ 影法師 ](六)4 トラックを誘導する声……

トラックを誘導する声が、向こう岸に聞こえる。ふと見ると、百メートルほど先の配送センターから、トラックが出てくるところだった。旭川木工団地の製品は、この配送センターから全国に向かって発送されるのだ。いま、橋の上を、幾棹もタンスを積んだ大きなトラックが渡って行った。あのタンスを、どんな女性が、どんな家庭の中で使うのか。いつものことながら恵理子は思う。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 起伏 ](三)47 恵理子に不作法なこと……

  2. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)68 「香也子!」……

  3. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](三)30 「あら、わたしがお兄……

  4. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](七)38 「でもね、あなた、恵……

  5. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](二)16 今度はさらりといえた……

  6. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](九)54 香也子は、何重もの意……

カテゴリー

アーカイブ