『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)7 保子は恐る恐る自分の……

保子は恐る恐る自分の掌を見つめた。それを返してふっくらとした手の甲を見る。その手の甲に、保子はおずおずと口をふれてみた。以前の保子には決してできないことだった。保子は、水道の水にさっと手をぬらして、手拭いで拭いた。以前なら、石鹸をつけて痛くなるほど洗ったものだ。


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