『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)12 自分の言葉が、相手の……

自分の言葉が、相手の胸に針のように刺さるのが、何よりも香也子を溌溂とさせた。自分という人間がいるために、他の人間が不幸になる。そのことが香也子のいちばん大きな喜びなのだ。香也子自身が幸せでないのに、他の人間が幸せであるというのは、香也子にとって許せないことだった。


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