『果て遠き丘』[ 影法師 ](七)5 牛肉とピーマンのいた……

牛肉とピーマンのいため煮を小皿にとりながら保子がいう。そのきものから出た肉づきのいい腕が、ふっくらとなまめかしい。恵理子は、母の保子の表情が、いつになく若々しいのに、何か痛ましさを感じた。別れた夫に会う女は、はたしてみんなこのような表情になるだろうか。そんな思いが、ふっと心をよぎった。


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